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2017新型CX-5ディーゼルで一番気になったこと

KULUMA 「日常のクルマ」をイメージする 不定期連載第5回

発展途上だったディーゼルと安定感を増していたガソリン

 2011年6月、デミオに搭載されたのは圧縮比14という常識を覆す数値(量産ガソリンエンジン世界最高)で30km/L(10・15モード)を達成。当時、同じクラスのハイブリッド車と同じ燃費で、内燃機関の可能性を著しく拡げたのだった。マツダはこのままガソリンエンジン押しで行くのかと思いきや、ディーゼルエンジンをCX-5のメインとして打ち出してきた。

 発表会は2012年2月。デミオから半年と少しを過ぎたころだ。当時、日本ではディーゼルがまったく人気がなく、注目がされていない時代。しかし、当時の社長山内孝は「新たな市場を創造いたします。社運を駆けております」と胸をはった。

 今度は「世界一の低圧縮比」で、トルクがあり、燃費もいい。ディーゼルの課題だったPM2.5の問題もクリア。欧州並みの「クリーンディーゼル」として日本市場を開拓しようとしたのだ。

 結果は大成功で、ディーゼルは売れた。

 そこからディーゼル優位の姿勢をマツダは採った。ガソリンも高圧縮でスカイアクティブ技術であるのに、ディーゼルだけを喧伝し続けた。ユーザーや評論家はたびたびマツダのガソリンエンジンを褒めているのに、マツダはディーゼルの広告ばかり打つ。

 外側の人が思うのは、「スカイアクティブのガソリンもディーゼルも素晴らしい」だ。ガソリンはフィーリングが素晴らしいし、燃費もいい。ディーゼルはトルクが購買欲をそそるし、燃費もよく燃料費も安い。だから、ガソリンもディーゼルも同じ立場にすればいいのに、ディーゼルのグレードをガソリンよりも高くするという設定を今も続けている。あくまでもエンジンを中心に置いているのだ。

 エンジンを主役にするならば、エンジンの問題を起こしてはならない。高性能エンジンよりも、ユーザーは信頼性を選ぶ。高速道路の途中でスピードダウンするという噂をユーザーは許さない。

 その問題は解決されたが、エンジンを主役した広告展開をしてしまっただけに、その打撃は大きくなってしまった。今はネット上にそういった問題は残ってしまう。購入を考えているユーザーはそれを見る。

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kuluma.jp編集部

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